【必要?不要?】タイムスタンプと電帳法の関係を正しく把握する2つのポイントを解説!

2024年1月から本格スタートする改正電子帳簿保存法(以下、改正電帳法)。
猶予期間が延長される一部の事業者を除き、全事業者に対応が求められています。

本稿では、電帳法とタイムスタンプの関係性をまとめてみました。

「電帳法対応にはタイムスタンプが必須なの?」「そもそもタイムスタンプって何?」
このような疑問を解決するお手伝いができればと思います。


POINT

タイムスタンプの役割は、データの存在証明と真正性の証明
タイムスタンプは、電子取引データ保存の『真実性の確保』をクリアする手段のうちのひとつで、必須ではない

1.タイムスタンプとは?

1-1.タイムスタンプって何?

タイムスタンプは文字通り「時間の印」で、
特定の電子データが特定の時刻に存在していたことを証明するための手段です。

例えば、2023年6月13日12時00分00秒のタイムスタンプが付けられた電子データは、2023年6月13日12時00分00秒に存在したことが証明され、そのデータの中身についても暗号化され、その時点のものが記録されています。

1-2.タイムスタンプの役割

電子データは複製や修正が行われた場合に、それが元のデータから変更されたものであるかを見ただけでは判断することはできません。そのため、契約書や研究レポート、医療記録など、そのデータが本物であることが重要な場合、データの真正性を証明する手段が必要となります。

そこで登場するのがタイムスタンプです。

タイムスタンプは、付与された時点のデータの中身を暗号化し保持しているため、付与された後でデータが変更された疑いがある場合、突合することでタイムスタンプ付与時のデータと差異があるか確認できます。これにより、特定のデータが特定の時刻以降に改ざんされていないことを証明することが可能となります。

2.タイムスタンプと電子帳簿保存法

2-1.改正電帳法で義務化となった『電子取引データ保存』

改正電子帳簿保存法により、電子データ(PDFファイルなど)で授受した領収書や請求書などの取引関係書類について、プリントアウトしての保存は認められなくなりました。電子データは電子データのまま保管することが義務化されます。

2024年1月からは「電子」は「電子」で保存しましょう!

2-2.電子取引データ保存の『真実性の確保』

電子取引データ保存には重要な2つの要件『検索機能』『真実性の確保(改ざん防止)』があります。

『検索機能』要件については、電子ファイルの名前を付け替えておいて(リネーム)、あとで絞込検索できるような状態にしておくことが求められています。紙の書類でいうファイリングに近い作業になります。

『真実性の確保(改ざん防止)』については、4つの改ざん防止措置が示されていて、そのうちのどれか1つをクリアする必要があります。データは編集が容易なため、きちんと本物を保存していることを証明する必要があります。

タイムスタンプが関係してくるのは『真実性の確保(改ざん防止)』の要件です。

電子帳簿保存法の法要件

2-3.改ざん防止の4つの要件

改ざん防止の4つの要件を1つずつ見ていきましょう。


電子取引データ保存の改ざん防止措置①

タイムスタンプが付与された後、取引情報の授受を行う

1つめは、「タイムスタンプを付与した後に電子取引データを授受せよ」という要件です。


電子取引データ保存の改ざん防止措置②

取引情報の授受後、速やかにタイムスタンプを付すとともに、保存を行うも者又は監督者に関する情報を確認できるようにしておく

2つめは、「電子取引データを授受した後、タイムスタンプを付与せよ」という要件です。
電子取引データを授受した日から、2か月+7営業日以内にタイムスタンプを付与する必要があります。


電子取引データ保存の改ざん防止措置③

記録事項の訂正・削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認できるシステム又は記録事項の訂正・削除を行うことができないシステムで取引情報の授受及び保存を行う

3つめは、「訂正や削除の証跡が残るか、訂正や削除ができないシステムを使え」という要件です。
そもそも、データの訂正や削除ができないようにするというシンプルな考え方になります。


電子取引データ保存の改ざん防止措置④

正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規定を定め、その規則に沿った運用を行う

4つめは、「社内のあらゆる電子取引データについて、どのようにして訂正・削除を防止するかのルールを決めて、その通りに運用せよ」という要件です。
事務処理規定については、電帳法対応システムを運用する際の補足事項としてや、社内マニュアルとしての活用方法もあります。

結論:タイムスタンプは絶対に必要なものではない

結論、タイムスタンプは、改正電帳法の電子取引データ保存の要件のひとつ『真実性の確保』をクリアするための手段のひとつであり、必須ではありません。

電帳法対応=タイムスタンプというイメージが強いですが、要は電子データの改ざんが防止できていればいいため、タイムスタンプ以外の方法をとることもできます。

おまけ:タイムスタンプの落とし穴?

電子取引データ保存の『真実性の確保』を満たすための手段のひとつであるタイムスタンプですが、大きな懸念点がひとつあります。

それは、タイムスタンプというシステム自体には、データ改ざんを防止する機能がないことです。

タイムスタンプは、特定のデータが特定の時間以降に改ざんされてしまった際に、タイムスタンプが付与された時点のデータと照合すれば、どちらが原本(正しいデータ)かを証明できます。ただ、あくまでデータが改ざんされているかどうかが分かるだけで、改ざん自体を防ぐことはできません。

そもそもデータは改ざんされない方が良いに越したことはありませんし、実際に意図的な改ざんがあった場合、ファイルの中身をうっかり修正してしまった場合、ファイルそのもののデータを間違えて消してしまった場合、正しいデータの復元には、たいへんな労力がかかる場合があります。

電子ファイルの改ざんをより防ぐためには、改ざん防止の4つの要件の3つめ「訂正や削除の証跡が残るか、訂正や削除ができないシステムを使え」をクリアしているシステムを導入する方が良いかもしれません。

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